いつもと変わらぬ、最近ようやく「いつも」と呼べるようになってきた光景。
春市・沢村・降谷の並びで歩く、部室への道のり。
「・・・なぁ、どうして俺がいっつも真ん中なんだ?」
思いついたように尋ねる視線は右側。
この手の質問を降谷にしても全くの無駄だということに、沢村はつい最近ようやく気づいたらしい。
「俺よりさ、春っちが真ん中のほうがよくね?」
自分よりは春市のほうが降谷とも仲良くやっていけるだろうに。
というよりも、自分たちが喧嘩しすぎなのだが。
お前もそう思うだろ?と降谷に同意を求めかけたとき、珍しく春市が声を荒げた。
「2人に挟まれると背の小さいのが目立って嫌なの!」
常にない迫力でなくとも、言われれば納得せざるをえない理由と状況で。
思わず2人はコクンと頷いた。
「あ!俺クリス先輩のところ言ってくる!」
真ん中にいた沢村がいなくなれば、どう足掻いても2人は隣同士。
「本当にそれだけ?」
「・・・本当は暁君がすぐ手繋ごうとするから」
隣に栄純君がいるのに!と頬を膨らませた春市を、降谷は抱きしめた。
もちろん人目につかない物陰へ一歩踏み込んでからだが。
「僕はこのサイズ気に入ってるけどな」
すっぽりと収まったからだの持ち主がなおも反論しようとしたとき。
「春市ならどんな大きさだっていいけど」
顔色一つ変えずに言った言葉の威力を自分でわかってほしい。
これだから天然は手に負えないと、悔しいけれどすっぽりと収まった胸に顔をうずめた。
「・・・でも僕より大きくならないでほしいな」
広い背に腕が回るのは、それからすぐのこと。
END,
どこかでも宣言したが、私はふるはラー(何ソレ)である。
そしてふるはラーなら一度はかいてみたい身長差ネタ。